SNS。ここはひとが出会う場所。
わたしは出会い系にはまった。
それも同性向けのものに。
これまで10人以上と出会った。
うち何人かとはバニラをしたし、
ひとりとはセックスもした。
病気が怖くてあたふた調べたり、検査もする。
だってチキンだから。
バニラする前に気になっていた相手のことを最中、相手を好きになる。
愛してるともいってくれる。
でもおれはその言葉を信じることができず、えっちに集中できない。
愛してるという言葉が信じられないのは、
おれの家庭環境にあったのだろうか。
自己肯定するために、
自分で自分を承認するために、
やりたいことをやろうとすると、
それをやったあとにしにたくなる。
それが社会的に好ましいものでなかった場合、とくに。
おれの心は挑戦的だが、非常に保守的だ。
相容れないふたつの性質。
その葛藤に一生苦しむことを思えば
更に暗い気持ちになる。
なんのやる気もしない。
ああ、自分はこういう人間なんだなって
自分の愚かさに吐き気がしてくる。
さみしくてさみしくて、
だれにもいえなくて、
いってしまおうか、いってしまおうかと
何度も何度も悩んで、
でもいえなくて。
だって、言って傷ついたことがあるから。
もうそんな想いはしたくないから。
人にされたつらい経験を
他の誰かに押し付けてしまう。
江戸の仇を長崎でうつようなものだ。
自分がそうなれなかったから
相手にもそうなることを許さない。
なんて、狭量。
不自由で保守的。
おれがだれも信じられないから
あなたもだれも信じられないべきだ、と。
押し付ける。
自分が優位なときに、その立場を利用して。
最低な人間だ。クズだ。
自己評価を高めるためにしていると思っていたけど、
実は自己評価を低くしていた。
本当はたださみしいだけだった。
寂しさに身を任せて、欲望にしたがっているだけの自己愛の強すぎる人間。